10/31/2009 16:44 No.53 平等

10/31/2009 16:44

No.53

平等

最近、よく聞かれる

「弱者の立場に立って・・・」

「弱者を守る・・・」

という言葉。



政治家だけでなく、メディアも

その先頭に立って

それがあたかも正義として、

ヒロイズムを煽っている。




私は決して

身分差別を肯定したり、

格差社会を擁護するつもりもないし、

権力に平伏す気も全く無い。



ただ、このまま一体何処へ向かおうとしているのか

理解に苦しんでいるだけなのだ。


我々が学生時分に教わってきた江戸時代を典型とする

身分制度。

士農工商、さらには・・・という制度や

そのあらましを習った。


しかしながら、

卒業後、私は私なりに歴史を見てみたが、

意外に名も無い庶民から

その実力や教養を認められ、

養子縁組を重ねることで

苗字や身分が与えられ、出世した人物が

かなり多く存在したという事実を知っている。



差別はあったにせよ、

実力のあるものはどんどん登用されていた、

というのが真実なのである。



現在の特に日本のあり方は、

個人として社会的地位が高くなったり、

金持ちであったりすると

それを認めない社会にある。



むしろ、それらを攻撃（口撃）することで

あたかも庶民のストレス解消のはけ口のような

恰好の餌食となっている。



これでいいのだろうか。



周知のように、
戦前までは財閥というものがあった。

庶民からはあまりにも遠い存在であったが、

彼らには富や権力だけでなく、高い教養があった。

その彼らが現在の日本の経済のみならず、

国そのものの礎を築き上げて来たといっても

過言ではない。



ここで間違えてはならないのは、

民衆の力も

歴史的に過去より影響を与えて来たのも事実である。



しかし、国を揺るがすような、

大きな変革を起こすような、

人間として文化や海外にまで影響を与えるような、

そんな力は一般庶民の個々からは生まれ得ないと

私は思う。



何故なら、

素養と視野、生き方に大きな違いがあるからである。



民主主義と万民平等権利主義とは

全く違うのである。



少し前になるが、

ある方と話をしていた時に

こう言われた。

「本当の敗戦はこれからだ。」と。


決して右や左とかそういう次元の話ではない。

ある意味亡国の危機にある、という事だ。



一般庶民の主張や権利ばかり

いちいち聞いていては、

国は危うい。



また、一般庶民が

日々日課のように政治や経済の話ばかりして、

考えたり、討論したりしなければならない現状にも

問題がある。



私は何もハンディのある方や、

おかれた環境や歴史の中で

様々な目にあってこられた方、

悲しかったり、恵まれない方の事は

一切関係ないし、それについて

どうこう述べるつもりもない。

また、そういう立場にも無いと思っている。



本当の平等とは、

この世に生を受けたものとして、存在する事、

法というこの世の絶対的なものの下にして

皆が平等であるということだ、と私は思う。



勿論、例えば困っている人を助けるのは

人間の務めだと思うし、

当然の事だと思う。

弱者を救済し、

引き上げる事は社会の義務だとも思う。



しかし、逆差別や

社会の骨格まで破壊し、

能力のない者が社会を掌握する、

権利ばかり主張して社会に貢献しようとしない、

そんな動きが私には

平等であるとは到底思えない。



上に立つ者は

上に立つべき人間でならなくてはいけないし、

社会を見渡せ、

自己犠牲できるような人間でないと

ならない筈だ。



そんな人物と

一般庶民が

同じ生き方ができる筈もなく、

同じ待遇であってもならない。