昨夜、東京より戻りました。
晩、店に着くと
多数のFAXが届いていました。
訃報でした。
業界柄、
年配の方々も多く
訃報の知らせは
そんなに珍しい事ではないのですが、
この度ばかりは
驚きと悲しみに
ただただ
「呆然」
とするばかりでした。
私が
この業界、即ち
「美術業界」「古書業界」に入り、
まだ無我夢中でいた20年前から、
実に親身になって戴き、
また、商売や知識、あり方といった
基礎の事まで、
数え切れない程教示して戴いた、
古書業界の重鎮、
その方が10日にお亡くなりになりました。
残念ながら
昨夜の通夜には間に合わなかったのですが、
本日の葬儀には
参列させて戴きました。
勿論、
多数の参列者の方々が
来られていましたが、
その表情は無念に満ちていました。
江戸時代から続く
老舗の大阪書肆の顔。
その方の功績は
語っても語り足りません。
見識、人柄も勿論ですが、
広く精通され、
様々な方に影響を与え、
上下関係無く、愛情をもって
接して来られました。
感謝の念を持っておられる方は
数限りなくおられることと思います。
何もかも一つ一つ
詳しく申し上げられない程、
本当にお世話になった方です。
年齢的には
特別早くないというきらいはありますが、
大変元気な方であっただけに
病気と闘い、結果こうなってしまったことが
非常に残念です。
まだまだ
業界の為に
生きていて戴きたかった、
またご教示願いたかった、
もう一度お逢いしたかった、
その思いでいっぱいです。
もう、これから
あのような方が出てくることは
たぶん、無いでしょう。
それ程大きな、大きな、
方だった訳です。
日本文化の継承における
大きな柱が失われました。
実は昨夜、飛行機での帰り
大阪上空に
それはそれは美しく、
大きな光が輝いていました。
星かな?と
思って眺めていましたが、
星になられたのかもしれません。
私にとって
今日は
非常に悲しく、
寂しい一日でした・・・。
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